罰当たり親子 義父も娘も下品で結構

2015年公開

◆スタッフ◆

製作:松岡プロダクション/提供:Xces Film/脚本:今西守/監督:松岡邦彦/撮影・照明:村石直人/編集:酒井正次/録音:シネキャビン/助監督:江尻大/スチール:本田あきら/現像:東映ラボテック

◆キャスト◆

黒田優里:舞野まや/黒田真矢:酒井あずさ/黒田摩耶:若林美保/黒田卓:柳東史/村上隆敏:真田幹也/木村達也:津田篤/島田郁夫:サーモン鮭山/医者:小林節彦

◆解説

今回の新作品は、親子の禁断の愛を赤裸々に描く問題作。

 主人公の優里は淫乱だった母親の死をきっかけに、次第に淫らな自分の性に気がつきはじめる。ある時はいやらしい妄想に部屋のドアを開けっ放しにしてオナニーに没頭。家族の目を気にしながらも、その行為は大胆になっていく…。

 『果たして、優里の運命は如何に!』

 主演は舞野まや。ベビーフェイスの彼女が大胆セックス。劇中のレイプシーンでは『何か、本当に濡れちゃった』などと、プライベートでも淫乱娘発言!これは観逃せない!

 監督は松岡邦彦がお贈り致します。

◆ストーリー◆

 黒田優里「18」は父親の黒田卓「45」に責め続けられていた。急死した卓の妻で優里の母親、黒田真矢「48」が遺した携帯電話のメールから数々の浮気が判明し、優里も卓の実の娘でない可能性がでてきたのだ。妻に裏切られていた事を知った卓が、これまでわが子と信じて可愛がってきた娘に、やり場のないくやしさをぶつけるのだ。優里は最近の娘には珍しい純真なおとなしい娘で、母親真矢の影響で幼少の頃から敬虔なクリスチャンであった。「お前の母親は淫売だ」からはじまる卓の罵りを「父親思い」である優里は人生の試練と思い黙って耐えているのだ。

 卓は真矢のメールから優里の父親はかっての自分の上司であった村上隆敏「40」だと思っていた。隆敏は資産家の一人息子で、イケメンで頭も良く、一流大学を卒業後、中央官庁に進みエリートコースを歩んでいた。18年前、官僚になったばかりの頃、東京から卓の住む地方都市に出向していた。その時、役所の部下である卓の妻、真矢と深い関係になったのだ。卓は若くて将来も有望な「年下の上司」隆敏を本当に敬愛し、しょっちゅう自宅へ招いて歓待していた。卓は強い人や立派な人の指図命令を仰がなければ何も決めることが出来ない性格だった。真矢は美人で魅力的な女だったが専制君主的性格で夫の卓を完全に尻に敷いていた。そんな性格の反面、敬虔なクリスチャンでもあり娘の優里はもちろん、夫の卓にも強制的に信仰を強要した。卓は喜んでその強い妻に従ったが、本心では神を信じてはいなかった。真矢は自分の奔放な性愛に関しても神の摂理だと信じ信仰する者の強さゆえ、本能のままに行動してきたのだ。

 一方、村上隆敏はこのところ、うつ症とでもいうのか、理由もないのに気が滅入って仕方がない。病院にも行き、薬も処方されたのだが、一向に調子は良くならず、もの覚えが悪くなり、最近のほんの少し前のことも覚えていないのに十数年前のことは細やかに思い出せたりするのだ。外見の良さと肩書きで今までたくさんの女と付き合ってきた隆敏だが、病のせいか、女遊びも心から楽しむことが出来ず、誰とも付き合う気にもなれない。それが何故か18年前、一時期付き合った人妻のことを思い出してならない。隆敏は真矢から「妊娠したみたいだから、もう家には来ないで」ときつく言われ、その時は未練もあったが、ちょうど任期もきたこともあり東京へ帰ったのだ。そして、他の女と付き合ううち、いつのまにか、真矢のことも卓のこともすっかり忘れてしまった。それがこのところ、真矢のことを思い出してならない。

 優里は真矢の秘密を知っていた。自分の本当の父親は誰かという事を真矢から告白されていたのだ。それは卓でも隆敏でもなかった。優里は真矢を赦し、本当の父親に会いたいと思った。しかし、育ての親である卓のことも愛していた。今はまだ会うべきでない、会う時は神様が啓示してくださる「その時」を待たなくてはならないと考えた。生前、真矢から本当の父親の連絡先を聞いていた優里は「その時」が来たら、会いに行こうと思っていた。真矢が急死し、卓が浮気の事実を知り、自分を母の代わりに責め続け、隆敏に復讐するのだという頓珍漢な行動をみて、まさに今が「その時」だと思った。本当の父親も東京にいるのだ。

 現在、隆敏はエリートコースからはずれ閑職に追いやられていた。病のせいか、何もやる気が起きず、閑職にあるのがちょうど良いと思うほどだった。昼休み、公園のベンチでぼんやりと通り過ぎる人々を眺めていると、喪服を着た小柄な男の姿が隆敏の視界を何度もよぎる。病のための幻覚かとも思ったが確かにこちらを見ている。その姿が目にはいるたびに不快な気分になり、その場から立ち去った。

 職場に早退すると連絡して、自宅のマンションに帰った。ふと、窓の外を見ると喪服の男がマンションを見上げている。そして、こちらに近づいてくる。隆敏はドアのところで待ちかまえ、男が来ると同時にドアを開けた。よろけた喪服男が立ち直って、二人の顔があう。その途端、記憶がよみがえった。真矢の夫の卓であった。

 隆敏は卓を部屋に招き入れた。そこで、卓の話からいろいろな事を知る。真矢が一ヶ月前に急死し、遺され携帯電話から浮気の記録のメールがでてきたこと。お人好しの卓は何も知らず、その男たちを自分の友だちと信じ敬愛してきたこと。その連中に復讐するため東京に来たこと。娘の優里を連れて来ており、今、ホテルの部屋に閉じ込めていること。

 優里はホテルの部屋から本当の父親のところに電話をしていた。自分の母である真矢が亡くなったことを告げ、自分が娘であるということを伝えようとした。電話はつながらず留守番電話だったので連絡をくれるようメッセージを残した。

 卓の話を聞いて隆敏はゾッとしたが、卓はどこまで真実を知っているか、隆敏に明かさず、知っているような知らないような態度をとり続ける。隆敏は優里が自分の娘に違いないと確信する。そう思うと何か心に安らぎのようなものが感じられた。優里に会いたい、できることなら取り返したいと思った。卓は真矢と優里への恨み辛みを延々と語り、それを聞くうち、隆敏は具合が悪くなってくる。卓の話は真矢と優里が同化して優里も淫売であり、真矢への復讐として処女の優里を犯してしまうというものである。隆敏はその様を想像するとなぜか興奮してきた。それを卓に悟られないよう具合が悪くなったふりをして、横になる。するとなぜか親友の様に甲斐甲斐しく隆敏を介抱する卓。しかし、突然、卓はカミソリを持って隆敏に襲いかかる。格闘の末、情けなく組み敷かれしまう。卓は隆敏を助けたいと同時に殺したいのだ。卓はふてくされ、勝手に隆敏の部屋にある酒を飲んで酔いつぶれてしまう。

隆敏は卓を部屋に残し、出て行く。

 ホテルの部屋の電話が鳴る。電話を見つめる優里。受話器をとる。本当の父親がこれからここに訪ねて来るという。ドアがノックされる。ドキドキしながらドアを開けると隆敏がいた。隆敏は優里に自分が本当の父親だと名のった。優里は隆敏のことを知らないので、さっき電話をくれた本当の父親だと感違いした。抱き合って涙を流す二人。しかし、隆敏の脳裏には先ほど聞いた卓と優里のセックスの場面が浮かんできた。頭に血がのぼる隆敏。思わず優里を押し倒す。抵抗する優里。「本当のお父さんにならなんでもできるだろう」隆敏が優里にささやく。「他の男とやってたっていい、処女じゃなくっても、お父さんに生まれたままの姿を見せておくれ」挿入する隆敏。「痛い!」泣き叫ぶ優里。優里は処女だった。卓の話は妄想だったのだ。そんなことにも気づかず腰を振り続ける。事後、実の父親に犯されたと思った優里は首を吊る。我に返る隆敏。自分の犯した罪に慄き衝動的に飛び降り自殺する。まさにその時、優里の本当の父親が優里のぶら下がる部屋のドアをノックするのだった。

 一年後、隆敏が飛び降り自殺したホテルの前に卓がいた。派手な女と一緒である。再婚したのだ。そして、明らかにその妻の愛人とおぼしき若い男もいる。卓はまたしても「寝取られ亭主」となっていた。卓が語る。「むかしむかし、このホテルで親子心中があってな・・・その部屋は安く泊まれるんだよ・・・」ホテルの部屋で若い男と絡む妻を見ながら自虐的快感を感じる卓。「むかしむかし、女房に浮気されないと気の済まない亭主がいて・・・」独り言の様に語り続ける卓。すなわち、彼は永遠の「寝取られ亭主」なのである。