責め絵の女

2010年公開

◆スタッフ◆

監督:剣崎譲/提供:Xces Film/脚本:月岡よみ/製作:ENKプロモーション/原案:冴月嶺/緊縛指導:有末剛/撮影:牧逸郎/録音:立石幸雄(東洋スタジオ)/編集:安藤信一郎/助監督:溝口尚美/山口友尚/製作担当:ENKプロモーション/スチール:渡辺哲/ヘアメイク:井谷祐子/現像:東映ラボテック

◆キャスト◆

榊原弓枝:神代弓子(イヴ)/牧村綾子:宗忍/ホテトル嬢:鏡彩花/榊原祐司:門田剛/室生柊青:梁井紀夫/美術ライター:亀山英一郎/緊縛師:藤田喜昭/医師・青柳:渡辺哲

◆解説◆

 今回は、あの「ノーパン喫茶の女王」イヴちゃんの裸デビュー15周年記念作品。ノーパン喫茶から映画・ビデオ・舞台と多岐に渡り、今でも第一線で活躍中の彼女。

 そして、今回は念願吐い、ここ数年、縄師について縛りの勉強をしてきた成果を、この映画で被露する。襦袢の上から一本の荒縄が縦横無尽に彼女を束縛。そして愛撫する。屋内屋外問わずの、まるで絵画を、見ているような緊縛シーンの数々。その耽美の極致には圧倒される。

 結論、イイ女はいくつになっても何をやってもイイ女である。 監督には、前回「人妻ピアノ教師いやらしい指」でコンビを組み、すっかり彼女に惚れ込んだ剣崎譲。

 そんじょそこらの小娘とは違う、大人の女イヴを御堪能あれ!

◆ストーリー◆

 榊原弓枝は、美術プロデューサーの夫・祐司に連れられて、最近にわかに注目されてきた異端の美人画家・室生柊青の個展にやって来た。柊青は永らく、その退廃的な画風と淫媚な雰囲気が漂うモチーフからら画壇に認められず、好事家の間でしか知られていなかったのだが、近年は時代の価値観が変化したのと、美術誌ライター・矢島修一の尽力によって若者を中心に支持されるようになってきていた。主宰の柊青が秘書の綾子に連れられて泥酔状態でやって来た。祐司はライターと弓枝に、周囲の誤解をかう行動を繰り広げる柊青を紹介した。柊青が弓枝を見た一瞬、態度が変わった。弓枝は柊青の絵を見るや、知らず知らずの内に涙を流していたのだった。

 数日後、弓枝は室生家を訪れた。祐司は、柊青の画が売れるようになってきたのは最近で、それも過去の作品ばかり。ここ数ケ月絵筆も執らず、酒浸りの日々を過ごしているため、弓枝に世話役として働いて欲しい、という。柊青のアトリエにやって来た弓枝は、中をそっと覗いて仰天した。アトリエ内では、綾子が柊青の前でオナニーをしながらポーズを取っていたのだった。だが、柊青は苛立ちながら筆を執ることな『イヴ15執念記念作品 責め絵の女』スチール2くアトリエから出ていった。綾子は弓枝の姿を見る。「ご覧のとおり、最近のあの人は絵が描けない状態が続いているんです。あの人の美人画は、女性がエクスタシーに酔っている姿を描いてあるんです。弓枝さんも、あの人の身の回りの世話ばかりじゃなくて、いつかさっき私がしてたようなことを求められる日が来るかもしれませんのよ」という。 その夜、弓枝が柊青のアトリエを片付けていると、大量の緊縛写真を発見。妖しい胸騒ぎを覚える。それを酔って戻ってきた柊青に見つかり、弓枝は縄で両腕を縛り上げられてレイプ同然に関係してしまう。セックスしながらも弓枝は、柊青の瞳をまっすぐに見つめ続け、その様子に戸惑う柊青だが、突然倒れてしまう。かかりつけの医師に来てもらったところ、柊青は三年前、胃癌の手術をしたが、今や全身に転移して末期症状であることを知らされる。医師は柊青に再三入院を奨めているが、なかなか聞き入れてくれない、と漏らす。だが、弓枝は「最期の時が来るまで病院の白い壁に囲まれながら時を過ごすなんて、画家としてこれ以上の苦痛があるでしょうか。私ならきっと…耐えられません」と答えた。

 それからというもの、弓枝は柊青の秘書兼モデルとして日々を送る。病を押しながら柊青は常に、弓枝を異常な状況でポーズさせた。自慰を強要しながら絵を描いたり、ときには、綾子や出張ホテトル嬢を呼び寄せてレズプレイを展開させたりして、次々に絵を描いていく柊青。その連作は『責め絵の女』というシリーズを命名された。弓枝は、時折襲ってくる激痛と闘いながら絵を描く柊青にますます惹かれて『イヴ15執念記念作品 責め絵の女』スチール3いく。そして柊青は綾子に対して除々に距離を置くようになり、以前のように抱かなくなっていく。

 ある日、祐司から連絡が入り、弓枝はホテルの一室に呼び出される。実は矢島は祐司と共謀して、室生の新作を描いてもらうため、弓枝を利用していたのだった。祐司は弓枝を抱こうするが、弓枝は祐司を拒む。怒った祐司は弓枝をベッドに押し倒し、レイプ同然に抱く。終わった後、冷静になった祐司は弓枝に謝るが、弓枝は初めて祐司に対して怒りを感じ、部屋から出て行った。室生家に戻ってきた弓枝に柊青は、自分が余命いくばくもないことを知っていることを告白。しかも、綾子が祐司と密談しているのを聞き、自分の放蕩無頼の年活が許されるのは、素晴しい作品を描いてらうために利用されているに過ぎないのだった、ということを話し、これ以上弓枝を巻込みたくない、という理由から暇をやろうするが、弓枝は「矢島さんや、綾子さんや、お金や名声のためでなく、私のために絵を描いて下さい」と言い、柊青はようやく弓枝と心を通わせる。

 晩秋、柊青の死期は間近に迫っていた。柊青は弓枝の体に赤い縄を掛け、弱った体を押して野外での制作を行っていた。体に食い込む赤い縄にうっとり『イヴ15周年記念作品 責め絵の女』スチール4する弓枝。やがて…連作『責め絵の女』の最後の作品が完成した。柊青は、弓枝のそばに駆け寄り、抱きしめた。そして、今まで柊青の口から漏れることのなかった「愛している」という言葉を繰り返えしながら、弓枝を愛撫した。柊青の想いを知り、弓枝はのぼりつめていったのだった。

 柊青は死に、葬儀は営まれた。葬儀の後、室生家に残された『責め絵の女』シリーズや素描の数々は、すべて矢島が引き上げて行った。空っぽのアトリエには、放した弓枝と、柊青が愛用していた縄や性具のみ残されたていた。弓枝は赤い縄を手に取り、いとおしそうに胸に抱きしめるのだった。

 室生家から弓枝が出ていくと、祐司が車で迎えに来た。「一緒に帰ろう」と、祐司。弓枝は首を横に振り、喪服の胸元をはだけさせる。弓枝の胸には、かつて柊青がそうしたように、赤い縄が幾重にも掛けられていた。弓枝は呆気にとられた祐司に艶然と笑みを浮かべながら別れを告げ、去っていくのだった。