エロマダム 襦袢と喪服

2007年公開

◆スタッフ◆

提供:エクセスフィルム/監督・撮影:下元哲/脚本:岡野有紀&小猿兄弟舎/照明:小野弘文/助監督:高田宝重/製作担当:真弓学/編集:金子尚樹/メイク:小川幸美/スチール:津田一郎/録音:シネキャビン/現像:東映化学

◆キャスト◆
九條菊江:桜沢菜々子/双葉ゆり:佐倉萌/九條隆介:やまきよ/四谷文三:杉本まこと/男:久須美欽一

◆解説◆

何事も無く2000年を迎えて、ほっとひと安心した諸君も多いだろう。

そんなミレニアムな時代には…ん?『戦争未亡人エロス』!!なぜかって?巷では今、時代モノが流行っているから。「シンプルな中に答えはいっも隠されている」…。

 今回の作品も時代モノで、時は戦中、戦後の動乱の時期。夫に召集令状が来て、『勝って来るぞと勇ましく』と見送ったはいいけど、気が付けば戦争未亡人。悲しいは、辛いは、寂しいは、どうにもならないこの体。夜は自慰行為で夜が更ける…。

 そんな寂しい未亡人に『趣味と実益をかねて、お仕事してま-す。』と東北弁でしゃべりまくる桜沢奈々子。彼女の魅力は、その透き通るほどの白い肌、男だったら一度は拝みたくなるような完璧な体…ん-すごいの一言。そんな彼女が劇中で強姦されるは、縛られてバイブは突っ込まれるは、レズるはのエロエロ60分!!彼女もこんなの初めて、と言いながら迫真の演技で、映画を盛り上げる。

 監督には鬼才下元哲。彼の手に掛かれば、時代モノの古さなど感じさせない斬新な映像と、官能的な描写で私たちを未知の世界に誘う。もう、誰も退屈などとは言わせない。


◆ストーリー◆

 灯火管制の布かれた、暗い部屋の中。

 激しく絡み合う男と女。九条隆介と菊江、二人は夫婦である。

 吐息交じりの二人の会話で、現在の状況が説明される。

 戦局はいよいよ終りを迎えそうであること・・・。

「自分にもしものことがあれば、この家を捨てて逃げろ」隆介はそう言うが菊江は反論。

「そんな事は出来ません。私はあなたの、あなただけのものですから・・・。」二人はまた愛を確かめ合うのだった。

 しかし、隆介はその日を最後に二度と戻ってこなかった。

 数か月が過ぎる。

 夫の無事を信じ、ひたすらその帰りを待ち続ける菊江。男を知った菊江の体は、時に熱く火照る事もあった。そんな時は、菊江は淫らな指で、自分を慰めるのであった。

 ある日、菊江の家に一人の若い女性が逃げてくる。女は傷つき、立っているのもやっとの状態。一目で訳ありだと知れた。双葉ゆりと名乗ったその女は、どう見てもその身なり、口調などから、どこかの遊女のように思えた。女は菊江に近付こうとし一歩足を踏み出すが、そのまま地面に倒れてしまった。菊江は一人ずまいの寂しさもあり、ゆりを看病してやった。

 二人に友情が芽生えてくるのに、さほど時間はかからなかった。立場は違えど二人とも優しさと慰めを必要としていたからだ。

 都心では毎日のように空襲があり、何人もの人達が死んでいた。だが、ここの田舎にはまだ食べ物があった。

 二人で山のものを採り、たべる。温泉に入り、他愛もないお喋りに興じる。束の間の楽しい日々。

 だがそれも長くは続かなかった。

 四谷文三と言う男が菊江の家にやってきた。「あなたの夫、九条隆介は死んだ。」

 「嘘よ!」驚愕の表情を浮かべる菊江。

 「最後に、妻を頼むと・・・」私にこの写真を託したのです。

 四谷の手が菊江の肩を覆い接吻をしようとする。隆介を思い、半信半疑ながらもこれが隆介の遺言なら、この男を受け入れるしかない。必死に耐える菊江であった。

 「待ちな!」そこに現れたのはゆりだった。「そんな奴の言う事なんか信じちゃ駄目だよ!」

 四谷は最初から九条家の財産目当てで、隆介を戦地に向かせたのだ。隆介が死ねばなにもかもこの俺のものになる。金と女を手にいれるためには手段を選ばない卑劣な男四谷。

 ゆりもまた、この男に身を売られ、悲惨な日々を過ごしてきたのだ。そして、やっとの思いで逃げ、たどり着いたのがこの地菊江の所だったのだ。

 命の恩人菊江を必死にかばおうと、ゆりは精一杯の抵抗をする。しかし、女二人では、小国日本が欧米に喧嘩を売るようなものだった。

 あっけなく女二人と財産を手にいれた四谷は、意の向くまま二人を陵辱し始める。

 菊江とゆりは精神的にも、肉体的にも四谷の支配下に置かれ、苦痛の日々を過ごした。

 数か月が経ったある日。

 菊江は四谷の肉棒をぶち込まれそうになり、すべてを覚悟した時断末魔の声を聞いた。死んだ筈の隆介が日本刀を手に四谷を刺していたのだった。

 「あなた・・・。」菊江の瞳に映る隆介の姿が、涙で参んでいた。